システム要件 他

OnTime for Domino はDominoの技術で開発されています。
Notes/Dominoを運用している環境なら培った知識でインストールから運用管理も行えます。

新規インストール概要

OnTimeのインストールはいたってシンプル。インストールに必要な手順は以下の通り。

  1. ノーツクライアントのDataフォルダにTempフォルダを作成。
  2. ダウンロードしたzipからして9つのテンプレート(ntfファイル)と1つのインストーラアプリ(nsfファイル)を作成したTempフォルダにファイルコピー。
  3. サーバー管理権限を持つユーザーでノーツクライアントを開く。
  4. コピーしたインストーラアプリを開いて右上の日本国旗をクリックして日本語画面に変更。
  5. インストールするサーバー、フォルダ、同期対象のユーザーや会議を選択などを行い、最後に「インストール」を実行する。
  6. 実行途中でタスク起動やhttpの再起動が行われて完了。
  7. あとはもう、OnTimeクライアントを開くだけ。
  8. 詳細はインストールマニュアルを参照ください。こちらのページのマニュアル一覧にあります。installer

OnTimeの構成はいたってシンプル。サーバーへ反映される構成は以下の通り。全部自動で行われる。

  • DominoサーバーのDataフォルダにOnTimeフォルダが作成される。
  • 9つのアプリケーションテンプレート(2023年5月時点、機能追加で増えることもあります)がコピー作成される。
  • テンプレートから5つの必要なアプリ(データベース、2023年5月時点)がテンプレートから作成される。
  • 1個のサーブレット(OnTmeGC.jar、クライアント接続用)がOnTimeフォルダにコピーされる。
  • サーブレットが利用する2つのNotoSansフォントがOnTimeフォルダにコピーされる。
  • 1個のタスク(nOnTimeGC.exe、メールDB同期用)がDominoプログラムフォルダにコピーされる。
  • サーバー文書、servlet.propatiesファイル、notes.iniファイル(ServerTasks行だけ)に必要な追加が行われる。
  • 詳細はインストールマニュアルを参照ください。こちらのページのマニュアル一覧にあります。files

システム要件

  • OnTimeが実行されるDominoサーバー(通常組織に1台):
    HCLがサポートするWindows上で動作するHCL Domino 9.0.1 FP10以上。64bit版を強く推薦します。
    (更にShopは最新版をご利用になることを強くお勧めいたします。)
    OnTimeはhttpタスク上でJVMも実行します。
    10,000以上のユーザーをOnTimeサーバーに同時接続する場合、httpトラフィックが使用する帯域幅から複数のサーバーでの運用かNICのマルチポート等帯域幅を増やされることを推薦します。
  • OnTimeサーバーが参照しにいくDominoメールサーバー
    Domino 9.x以上
    注)メールサーバーにDomino 7.x、Domino 8.xを使用する際の制限事項
    レガシーなOnTimeタスクを使用しますので、OnTimeクラスタと会議通知の更新は利用出来ません。詳細はお問い合わせ下さい。
  • 設定操作を行うOnTime管理者用ノーツクライアント:
    OnTimeの設定を行うための設定DB(config.nsf)はNotes 10.x以上でしか操作できません。管理者端末にはNotes10以上のインストールをお願いします。
  • 一般ユーザーのノーツクライアント
    ノーツ 9.x以上(ノーツクライアント内でOnTimeが開くのはMS Windowsで動作するノーツのみです。)
    Standard版、Basic版
  • OnTime Desktop クライアント
    HCL Dominoがサポートする各種ブラウザに準拠します。スマートフォンやタブレットはMobileオプションを推奨。
  • 注)インフラ基盤のメーカーに準じ常に最新版及び最新フィックスの適応を強くお勧めします。希に古いインフラ基盤でOnTimeが動作していても将来のOnTimeでサポートを保証するものではありません。
  • メールテンプレート
    標準メールテンプレート(DJX含む)の使用。
    以下のメールDBのプロパティにチェックをつけたDBはサポートされません。
  • サーバースペック:
    CPUは一般的なコア数で充分です。ハードディスクも一般的なDomino向け速度の環境で充分です。メモリもあえて追加する必要はありません。
    但し、JVMの特性上オンメモリで保持するデータ量に依存します。できれば1-2GBは多めに見積もって下さい。
    メモリは6GB以上、notes.iniに
    HTTPJVMMaxHeapSize=2048M
    HTTPJVMMaxHeapSizeSet=1
    の追加を推奨します。
  • 既存環境から想定するCPUやメモリのサイジングについて:
    もしトライアルが出来ずに既存環境からサイジングをしないといけない場合は以下をご参照下さい。

    • データ同期(シンク)におけるサイジング:
      OnTimeタスクはDominoの関数ライブラリを使用してメールDB内の文書のアップデートを検知してOnTimeのConfigDB内に必要データだけを吸い上げます。イメージとしてはサーバーエージェントで1予定あたり200~300バイトのデータを取り出して文書保存するイメージです。ご利用環境に基づき単位時間あたりの予定作成更新のボリュームからエージェントの負荷を想定してみて下さい。ローカルのメールDBを参照する場合、リモートのメールDBを参照する場合、またクラウド時のようにパススルーを経由する場合で負荷は変わってきます。
    • クライアント接続におけるサイジング:
      現在では全てのOnTimeクライアントの通信プロトコルはgzip圧縮によるマルチスレッドが可能なhttp通信をお勧めしています。OnTimeクライアントはConfigDBに1ユーザーあたり1文書が存在するDBから必要なデータを取得してノーツ端末やブラウザに表示しています。イメージとしては1つのディスカッションDB内の複数の文書をユーザーが同時に閲覧参照しているイメージです。ご利用環境に基づき単位時間あたりのユーザー接続数からドミノのhttpタスクにかかる負荷を想定してみて下さい。XPagesと同じように、接続するnsfからConfigDBを参照しますのでDB間の参照処理も考慮して下さい。
  • OnTimeデータベース:
    OnTimeは1つのユーザー文書で複数値のカレンダーエントリーを保持するいわゆるbusytime.nsfと同じスタイルです。よってビューの更新も日中は発生しないのでIndexerタスクに負担は与えません。

    • OnTimeデータベース内ユーザーデータサイズ:
      1つのユーザーエントリーはUsers文書やSetting文書等で概ね一人当たり20kbyteぐらいの文書サイズを必要とします。なので総サイズ数は(20kbyte)×(ユーザー数)でおおよそ計算出来ます。
    • OnTimeデータベース内カレンダーデータサイズ:
      1つのカレンダーエントリーはわずか200~300バイト程度です。総サイズ数は(自社の各人1日の平均予定件数)×(自社で保持する予定の過去日数)×(ユーザー数)でおおよそ計算出来ます。
  • トラフィックデータ:
    組織毎にスケジュールの使い方は千差万別なので標準的な使い方やクリック度合いなどは存在しません。よって送受信されるRequestデータの件数やサイズも千差万別です。トライアルキーで試用の上ご確認頂くか、自組織の環境に合わせてシュミレーションデータを想定してください。詳細はFAQの→「サーバーとクライアントを流れるトラフィックデータについて」を参照してください。

代表的な技術的特徴

  • OnTime Group Calendar は設定DB(config.nsf)、データDB(data.nsf)とアプリDB(client.nsf)と1つのタスク(nOnTimeGC.exe)及びJavaサーブレットで動作します。
  • 全てのメールサーバーにOnTimeタスクをインストールする必要はございません。OnTimeタスクが動作するサーバーからメールサーバーに直接監視することで同期を実現します。
  • 設定DB(config.nsf)には各種設定、データDB(data.nsf)には同期したカレンダーエントリーを保持し、両DBでOnTimeが動作する為の全てのデータを保持します。
  • アプリDB(client.nsf)はエンドポイントからの接続要求を全て同一のAPIにて処理します。またAPIが公開されているので様々な開発を行うことも可能です。
  • OnTimeタスクはメールサーバー上のメールDBでカレンダーエントリーが作成更新された動作をリアルタイム検知して設定DBのデータを更新します。OnTimeクライアントでのエントリーの作成更新についてはアプリDBのAPIが直接メールDBに作成するのでOnTimeタスクは関与しません。
  • OnTime サーブレットを併用することでスタティックなデータをオンメモリに保持しDBへのアクセスを軽減します。条件によってはピーク時でも単位時間当たり1万クライアントの接続を処理可能。
  • 標準のHCL Notesのメールテンプレート(DJX含む)は全く変更する必要はありません。
  • OnTime自身も含め各種フェールオーバークラスタに対応しています。
  • マルチドメイン環境も標準でサポートします。
  • 利用ユーザー毎に使用する言語を指定できます。対応言語:日本語、簡体字、繁体字、英語、ドイツ語、デンマーク語、ノルウェー語、オランダ語、スペイン語、フランス語、イタリア語
  • 同一サーバー上で メールDB、Notes Traveler タスク、その他のアプリケーションと同時実行も可能です。
  • 外部の電話連携システムやCRMとの統合のような他のソリューションで利用できる完全にオープンなAPIを利用できます。
  • 様々な構成で構築出来ます。下図は代表的な構成パターンです。

配備